野球の試合中、集中力が保てなくなる場面ってよくありませんか?
集中力がなくなる原因はいろいろとあります。
たとえば、緊張。
トーナメント初戦の初打席やここでエラーをしてしまったら負けてしまうかもしれないという場面。あなたも緊張で体がガチガチになって、本来のスムーズな動作ができなくなってしまったことがあるのではないでしょうか。
また、打席の中で
「バットの位置、脚の位置はここでよかったかな」
「脚を上げるタイミングはどうだったかな」
「エラーをしたら、また監督にこっぴどく怒られてしまうかもしれない。」
といった雑念や不安。
あるいは、自分に対する強い期待も集中力を下げる原因となる場合があります。
「ここで一発、逆転打を打ってやる!」
「あと3人抑えれば完封できる!」
肩に力が入りすぎて、いつも通りのスイングができなくなったバッターや完封勝利目前で相手打線につかまり、逆転を許してしまうピッチャー。たくさんいますよね。
疲労も集中力を下げる原因の一つです。
緊張。雑念。不安。期待。疲労・・・
このような集中力が途切れた状態では、打席でうまくヒットすることはできないですね。
守備ではエラーをしてしまう可能性が高くなります。
反対に、、、
ガンガン集中している状態とは?
心が落ち着いていて、頭で考える前に体が自然と反応できてしまう理想的な状態ですね。
「ゾーンに入った」なんて言われたりもします。
このような時は、本来持っている力が120%発揮でき、まさに奇跡としか言えないような結果を得ることがあります。そして特徴的なのは、決して努力して頑張っているような感覚がないことです。
「自然と良い動きができて、自然と良い結果が出る状態。」
このような精神集中状態が簡単に持続できたら、試合でも良い結果を残し続けることができると思いませんか?
これから紹介する5つの方法は、瞬時に集中状態に入る方法です。
この方法を練習しマスターすることで、試合中いつでもに入ることができるようになります。
ぜひ参考にしてくださいね。
それでは、まいりましょう!
「ヒット」「キャッチ」発声練習
ボールがバットに当たる瞬間に「ヒット!!」と叫ぶ。
ボールがグラブに入る瞬間に「キャッチ!!」と叫ぶ。
という方法です。簡単でしょ?
できれば大きな声で叫ぶのが理想的です。なぜなら、声が周りに聞こえることで、ヒットするタイミングやキャッチするタイミングが「一致しているのか」「ずれているのか」が分かりやすいからです。もし、ずれていたら、コーチや周りの選手から指摘されたり修正が効きやすいですよね。
でも、大きな声を出すのが恥ずかしいのなら、心の中でつぶやいてもOKです。
また、「ポンッ」「バンッ」「ダッ」とかでも構いません。言いやすい言葉でいいんです。
要は、ヒットする瞬間やキャッチする瞬間、このような言葉を発することに集中することで、雑念を排除することができるわけです。「ヒット」「キャッチ」「バンッ」と言いながら他の事を考えることはできません。
また、声と当たるタイミングを一致させようとすることでボールをしっかり見ようという意識にもつながります。
ただし、
①「頑張りすぎないこと」
②「出来なかったとしても、自分を責めないこと」
この2つを心掛けてください。
頑張りすぎてボールをしっかり見ようと目に力が入ると、体の筋肉にも力が入ってしまいます。
失敗して「だからダメなんだ」とか「ああやればよかった」などと自分を責めることもまた、体を萎縮させてしまいスムーズな動きを妨げてしまいます。
頑張らず、リラックスして、自分自身を過剰にコントロールしようとせずに、ただ心がボールに引き寄せられていく、といような感覚を楽しみながら味わってみてください。
音を聞く
発声練習ができたら、次は「音を聞く」です。
いったい何の音を聞くのか?というと、
「ボールがバットに当たる音」や「ボールがグラブに入るときの音」です。
さっきの発声練習と合わせて行うと、さらに効果的です。
キャッチボールの時、グラブにボールが入る瞬間「バンッ!」と声に出します。それと同時に耳を澄ませる。
また、バッティング練習では、ボールがバットに当たる瞬間に「ヒット!」と言いながら、どんな音が出るのか「音の質」にも集中して聞く。他のことに気を捕られていると、音を聞くことは少し難しいかもしれません。
ストレートを待っているところにカーブを投げられて「あ、カーブだ」と思った瞬間、発声のタイミングがずれたり音をしっかりと聞くことができなかったりしてしまいます。一瞬の迷いが体の反応を鈍らせてしまうわけです。
「当たる場所」を見極める練習もいいですね。
あなたがノックを受けているとします。
グラブに入る時のボールの音が、「パサッ」なのか「パチン」なのか「ブスッ」なのか確認します。そして同時に、どの指のどの関節あたりで捕ったのか。それをいちいち毎球確認します。(mm単位で)
また、バットの芯を0(ゼロ)として基準を置きます。打った場所がそれよりも先端寄りならプラス何㎝、グリップ寄りならマイナス何㎝、あるいはボールの真ん中より上を叩いたら上何㎝、下を叩いたら下何㎝と1球打つごとに確認しましょう。ボールの内側や外側、斜め方向も含めると、さらに細かくフィードバックすることができます。
細かい作業ですが、体に感覚情報を蓄積していくには本当に重要な練習になってきます。やみくもにボールを打ったり捕ったりするだけの練習とは雲泥の差ですよ。
ここでも大事なことは、
①「頑張りすぎないこと」
②「上手くいかなかったとしても、自分を責めないこと」
です。
ボールの行方をよく見る
投げたボールがどこに行くか。バットで打ったボールがどこに飛んで行くか。
「ボールの行方を見る」ことは当たり前だと思われるでしょうが、実際どの程度真剣に見ているでしょうか?
セカンドがゴロを捕ってファーストに投げる。
このとき「あなたが投げた場所はどのあたり?」と聞くと、ほとんどの人は「だいたいファーストの胸あたり」のように答えるでしょう。
そこを「だいたい」ではなく、より詳細にチェックしてほしいのです。
例えば、どこかわかりやすい場所を基準にして確認します。
ファーストの左脇でもいいし、右耳でもいいし、みぞおちでもいいので、そこを0とします。
そこから左右に何㎝、上下に何㎝、斜めに何㎝ズレた、といったように細かくはっきりと確認するわけです。
ただ、人を相手にすると基準が動いてしまうので、絶対に動かないファーストベースを基準にしてもいいと思います。
「ベースよりも右に30㎝逸れた場合はプラス30㎝。左に逸れたらマイナス30㎝。」みたいに。
このとき暴投したとしても自分を責めないでくださいね。
自分を責めずに、「何㎝ズレたのか」その結果を確認するだけです。
しっかりと確認して体にデータを入れたら、あとは自分の体が修正作業をしてくれます。
ピッチャーならピッチング練習などで比較的このような練習はするかもしれません。
ボール1個分とか数センチの狂いがホームランになったりしますから。
ピッチャーに限らず、野手であってもコントロールの狂いが試合を左右する場面は大いにあります。
「コントロールの乱れは集中力の乱れ」とも言えます。
雑念によって気持ちが定まらず集中力が欠けているときは、自分の投げたボールの行方を追いかけていないことがしばしばあります。
投げっぱなしで、「あとはまかせた!」では当然、良いところには届きませんよね。
「ボールの行方を見る」「ボールの軌跡を追いかける」ことは、集中力を高める方法の1つです。
コントロールにいまいち自信がないなら、初心に帰ってこの方法を試すとよいかもしれませんね。
だからといって目標に向かって力を入れて頑張る必要はありません。ただボールの行方を確認しようとする意識が集中力を高めてくれます。
ボールに乗ってみる
ボールの行方をよく見るときに、あなたの感覚をボールに乗っけてみてください。
「ちょっと何言ってるかわからない」という声が聞こえてきますが・・・。
あなたがバッティング練習をしているなら、ピッチャーが投げるボールにあなた自身が「乗ったつもり」になってみましょう。
速いスピードボールなら、強い風の抵抗を感じるでしょうし、緩い変化球なら、そよ風です。
フォークボールなら急激に落ちるジェットコースターに乗っているような感覚ですかね。
ボールに乗って風を感じることで、ピッチャーの速いスピードや緩急についていくことができます。
また、守備練習でゴロを捕る時、向かってくるボールに自分が乗ったつもりになることで、バウンドの「リズム」を感じることができるようになります。
「バウンドのリズムに合わせるのではなく、自分自身がリズムになる」
頭で考えると難しそうですが、実際に体感してみると、そんなに難しいことではありません。
イメージの世界でボールに自分を重ね合わせることで、雑念を払うという目的がそこにはあります。
雑念がなくなれば、当然ながら集中力は高まりますよね。
集中力が高まれば、ヒットの確立も高まります。守備でバウンドを合わせることも簡単になります。
呼吸に意識を向ける
集中力を高めるために瞑想をしている人も多いかと思います。最近はビジネスや健康面でも瞑想が多く取り入れられていますね。
意識を物やイメージなどに集中する作業のことを「瞑想」と呼んでいます。
これまで話してきた内容は、どれもこの瞑想状態に入るためのテクニックと言ってもいいかもしれません。
声、音、ボール、風のイメージに自分が入り込むことによって一つのことに集中し、雑念を排除しようとしているわけです。
最後の集中法は「呼吸」です。
緊張しているときや自信がないとき、過度なプレッシャーに押しつぶされそうなときには「呼吸に焦点を合わせる」ことで自分の内側に目を向けてみましょう。
「呼吸に焦点を合わせる」とは、呼吸に意識を向け、リズムや深さ、音を感じようとすることです。そうすることで精神集中状態、瞑想状態が作られます。
これまで述べてきた4つの集中法は、ボールやバット、グラブという物がないと出来ない方法でしたが、この「呼吸に焦点を合わせせる集中法」は、いつでもどこでも一人で出来ます。なぜなら呼吸は、誰もが生きている限り止むことなく、いつでもどこでも行っている行為ですから。
呼吸を使って集中したいときは、故意に「大きく息を吸って~」とか「ゆっくり吐いて~」というようなことをする必要はありません。
ここでの目的は、呼吸という1つの行為に意識を向け集中力を高めることです。呼吸の仕方をあれこれと考えすぎると、逆に雑念が入り込んで集中できなくなってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
集中力を高める方法は、ここで述べたものの他にもたくさんあると思いますが、本質は「瞑想状態をいかに作れるか」です。
また、「頑張りすぎないこと」「自分を責めないこと」に注意して自分の体を信頼することがポイントです。
野球だけではなく、私生活を含め勉強やビジネスにも使えそうですね。
参考にしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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