フロントドアってどんなボール?
「フロントドア」という球種は、元ニューヨークヤンキース、そして広島カープのエースとして圧倒的な存在感を残してきた、黒田博樹投手が得意とし、最大の武器としていたボールです。
フロントドアは、左バッターからするとインコースのボールに見えるような球が、ストライクゾーンに入ってくる球です。黒田投手は、シュートを少し沈み込ませるシンカーをフロントドアとして使っていました。
フロントドアを投げられたバッターは、これまでに見たことのないような軌道のボールに、全く手が出ていません。
「ナニコレ?」というような感じでタイミングが合わず、見逃し三振をしていますね。
こんなボールで三振を奪ったときには、それはそれは気持ちいいでしょうね。
あなたもこのフロントドアを覚えて、奪三振王になりましょう!
黒田博樹投手の投球術
黒田投手は、フロントドアをドジャース時代にチームメイトだったグレッグ・マダックス投手から教わったそうで、「メジャーに来て最も役に立ったアドバイスだった」と言っています。
フロントドアは、特に左バッター、具体的には次のような特徴のあるバッターに対して有効なようです。
- バッターボックスでホームベース寄りに立つバッター
- 右肩と右の臀部が中に入る癖があるバッター
- 手を伸ばして打ちたいバッター
- コンタクトヒッター
1,2,3は、インコースのボールを苦手にしていそうな打者の特徴ですね。内角のボールにつまってしまうイメージです。
4.の「コンタクトヒッター」というのは、インコースのボールにもアウトコースのボールにも対応しようという意識のあるバッターのことです。このようなバッターに対しては、先にアウトコースのボールを意識づけすることで、体をアウトコース寄りに誘い出します。そして最終的には、アウトコースに意識が行き過ぎて対応しづらくなっているインコースへフロントドアを投げて仕留めるわけです。
逆に言うと、これらと反対の特徴を持つバッターに対しては、フロントドアは使いづらいということになるでしょう。ホームベースから少し離れてオープンスタンスで打席に立ち、振り回してくるようなバッターですね。
バッターの特徴を観察する
ですから、フロントドアで見逃し三振をとるためには、注意深くバッターの特徴を観察する必要があるわけですね。
- 打席に立つ足の位置
- 前脚を踏み出すときの脚や肩、臀部の位置
- 内角・外角どちらのコースを待っているのか
- ボールをコンパクトにあてに来るタイプなのか
など、バッターの動きを1球1球観察しながら、いかに多くの情報を仕入れているかどうかが三振を奪う鍵ですね。
「僕のピッチングにおいて情報は欠かせないものなのです。」(黒田博樹)
参考書籍:クオリティピッチング [ 黒田博樹 ](KKベストセラーズ)
この本を読んで、黒田投手の巧みな投球術を垣間見ることができました。スマホをかざすと、実際の試合の動画も見ることが出来るので、臨場感があり興奮しました!
それでは。