デッドボール、捻挫、接触プレーでの打撲、肉離れ・・・。
野球のプレー中は、いつ何時大きなケガに見舞われるかわかりません。
すべての選手は、自身も含めて誰かがケガをしたとき、すぐに対処ができるように応急処置の知識を持っていなければいけません。
応急処置の基本は「RICE」(ライス)です。
「RICE処置」
お米のとぎ汁を患部に塗るわけではありませんよ(笑)
RICEは、「安静」、「冷却」、「圧迫」、「挙上」の英語の頭文字を並べて表記したものです。
「R」(Rest):安静
まずはケガを負った患部を安静にして動かさないようにしましょう。
無理をして動かしたり、体重をかけたりしてしまうと症状が悪化してしまいます。
「I」(Ice):冷却
アイスパックなどの冷却用品で患部を冷やしましょう。
ビニール袋に氷を入れて患部にあてる方法でも良いです。
デッドボールを受けた選手がコールドスプレーで患部を冷やしている場面はよく目にしますが、スプレーで冷やすことで、炎症反応を抑えているんですね。
アイスパックや氷で冷やす時間は15分~20分。
2時間程度間隔をあけて継続して行います。
ケガの状態を見ながら、24~72時間続けてください。
アイシングにより生じる感覚の順序は、
強い冷感 → 灼熱感 → 痛み → 感覚消失です。
注意点は、感覚が消失したまま冷やし続けないこと。
感覚がなくなったまま冷やし続けると凍傷をおこし、治りを悪くてしまいます。
また、もともと感覚障害がある部位を冷やすことも凍傷のリスクになるのでやめておきましょう。
家庭用の冷蔵庫からそのまま取り出してきた氷や市販のコールドパックなどは0℃以下に凍る場合があるので、それらを皮膚に直接あててしまうと、これまた凍傷になる危険性があります。そのような場合は、タオルを巻いた上から氷をあてるなど工夫が必要です。
患部を冷やすための冷却用品には、
アイスパック、コールドスプレー、コールドパック、コールドバンテージ、パックホルダー、ラップなどがあります。
練習や試合をする際は、なるべくこのような冷却用品を揃えておくと素早い対応ができますね。
「C」(Compression):圧迫
患部の腫れを防ぐために、パッドやフェルトやスポンジなどを当てて、軽く圧迫するように包帯やテーピングを巻きましょう。
「E」(Elevation):挙上
横になりクッションやいすなどを使って、受傷した部位を心臓よりも高い位置まで挙上し、腫れの悪化を防ぎましょう。夜寝るときにも、この挙上姿勢を保つことが理想です。
まとめ
(引用:新版 図解 スポーツトレーニングの基礎理論 横浜市スポーツ医学センター)
打撲や靱帯損傷などのスポーツ外傷では、腫れたり炎症反応が起こったります。
RICEは、この腫れや炎症反応が拡大しないようにすることが大きな目的です。
素早い処置を行うことで、その後の復帰までの期間を短縮することができます。
逆に、対応が遅いと復帰への時間も長くなってしまいます。
良い選手はケガをしない、あるいはケガをしてもそこからの復帰が早いと言います。
自己管理のためにも、応急処置の基本「RICE処置」を覚えてくださいね。
ただし、RICE処置はあくまでも応急処置なので、その後はできるだけ早く専門医を受診することをおすすめします。