慢性的な睡眠不足はアスリートのパフォーマンスを低下させる!
睡眠が不足すると、
- 筋力低下
- 反応時間の遅れ
- 注意力の低下
- 動きの正確性の低下
などにつながるという研究結果があります。
野球選手にとってこれは、致命的なパフォーマンス低下。エラーやミスの連続につながってしまいます。
逆に、睡眠時間を長くするとパフォーマンスが向上する、という研究結果があります。
Mahらは、大学のバスケットボールのチームに所属する選手に5~7週間にわたって、毎日最低10時間の睡眠時間を目指して今よりもできるだけ長く寝るようにと指示を出し、身体パフォーマンスへの影響を検討しています。
指示前の平均睡眠時間が約400分、指示後が約510分でした。
毎日282フィート(約86m)走のタイムを測定すると、徐々にタイムが改善され、結局5%ほど改善されたことを報告しています。また、フリースローシュートや3ポイントシュートの成功率も向上することを報告しています。
(スポーツ選手と節制 川田茂雄 トレーニングジャーナル2015)
このように、睡眠時間の違いはアスリートのパフォーマンスに大きな影響を及ぼします。
自分の睡眠時間を調整することで、野球のパフォーマンス向上が見込めそうですね。
試合の結果は、自分の力だけでコントロールすることは出来ませんが、睡眠時間は努力すれば自分の力でコントロールすることが出来ます。
改めて自分がどれくらいの時間寝ているのか、確認して見直してみましょう!
寝て最初の90分がパフォーマンスを上げる!
今回は、パフォーマンスを最大化するためのメソッドが書かれた『スタンフォード式最高の睡眠 西野精治 』という本の内容を一部紹介します。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があることはご存知でしょうか?
レム睡眠とは、脳は起きていて体が眠っている状態。やや浅い眠り。
ノンレム睡眠とは、脳も体も眠っている状態。深く熟睡している状態ですね。
この2種類の眠りを交互に繰り返しながら、人は眠っているわけです。
その中で一番深い眠りはどこで現れるかというと、寝て最初の90分間に訪れるノンレム睡眠です。
この最初の90分間は、「眠りのゴールデンタイム」「黄金の90分」と言われています。
眠りのゴールデンタイムでいかに深く眠るか、が睡眠コントロールをうまく行かせる最大のカギとなります。というのは、この間に自律神経の調整、記憶の整理、成長ホルモンの分泌、脳の老廃物を解消するといったことが行われるからです。
良い睡眠をとるための6つの方法
黄金の90分に最高の睡眠をとるための方法を6つ紹介します。
最高の睡眠をとるポイントは、「体温」と「脳」にあります。
簡単な方法もあるので、今日からすぐにでも取り入れてみてくださいね!
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就寝時間と起床時間を固定する
毎日寝る時間と起きる時間を固定して、生活リズムを整えましょう。規則正しい生活を送ることで、毎日決まった時間になると「脳」と「体」が勝手に眠くなってしまう状態をつくるわけです。
睡眠のルーティン化ですね。ですが学生の場合、試験勉強などでどうしても夜遅くまで起きて、朝早く起きなければいけないときなどがあります。そういう場合は、ちょっと難しいかもしれません。
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寝る90分前の入浴
体温には「皮膚温度」と「深部体温」の2種類があります。
そして、次のような性質を持っています。
①「深部体温が下がり、皮膚温度が上がると眠くなる」という性質。
②「深部体温は上がった分だけ下がろうとする」という性質。
この二つの性質をうまく利用して、熟睡に誘導することが出来るのが「入浴」です。
入浴 → 深部体温が上がる → 深部体温は上がった分だけ下がろうとする → 深部体温が急激に下がる → 深部体温が下がり、眠くなる → 熟睡
このサイクルにかかる時間がおよそ90分間なので、寝る90分前に入浴することで、意図的に熟睡をするようにコントロールできるわけです。簡単ですね。
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シャワー
入浴でなく、もっと手軽に済ませたいという人は、寝る直前にでも、さっとシャワーを浴びてしまいましょう。
シャワーなら、深部体温が上がって下がるのに90分もかかりません。
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足湯
シャワーよりも効果的なのが「足湯」。
寝る直前に足湯をすると、足は血行が良くなり、温かくなります。温かくなった足の熱が放散されると深部体温が下がるわけです。深部体温が下がると眠くなります。
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快適な室温調整
真夏の熱帯夜。蒸し風呂のような暑い部屋の中で気持ちよく熟睡することはできませんよね。快適な睡眠をしたいなら、部屋の温度・湿度を良く調整しておく必要があります。
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寝る前は何も考えない
心配事がある時なんかは、頭の中で色々と考えてしまって眠れなくなる時がありませんか?
悩みや心配事も良質な睡眠には大敵です。そんな時僕がやっているのは、YouTubeで「良く眠れるBGM」なんかを探して小さい音で聞いてみたりすること。不思議と頭の中にあるモヤモヤがなくなる場合がありますよ。
ベッドの中でスマホやゲームをやるのは厳禁です。交感神経がビンビン優位になり、ますます頭が冴えてきます。
何も考えないことほど難しいことはないかもしれませんが、中村天風さんは、こうおっしゃっています。
「理想から言えば、寝床の中に入ったら、無念無想、何も考えないのが、いちばんいいんですけど、これは修養しないとなかなかできない。だから、そういうときは、やむを得ないから、考えるなという無理は言わないから、夜の寝際にどうしても、ものを考えずにいられなかったら、考えりゃ考えるほど楽しく、思えば思うほどうれしいことだけを、考えたり思ったりすればいいんです。わかった?」
トップアスリートほど、睡眠の質にこだわる
世界のトップで活躍する選手ほど、睡眠の質にはこだわっているようです。
引退した浅田真央選手もエアーウィーブを愛用していましたよね。
どうしてもパフォーマンスが上がってこない、と思っているなら、もしかして今使っている寝具が自分に合っていないかもしれません。
お値段はかわいくないですが、最高の眠りで最高の結果を出すためには、安い買い物かもしれませんね。
メジャーリーガーも睡眠を大事にする
近年、メジャーリーガーたちも睡眠に注目しているそうです。
日本人メジャーリーガーたちも、睡眠にはとても気を使っているようです。
青木、岩隈、マエケン、山田哲人がすすめている寝具「マニフレックス」。
僕もちょっと気になっています。
まとめ
いかがでしたか?最高の睡眠をとるための6つの方法。
ふだん入浴やシャワーに入る時間なんて全く気にしていない、という方も多いと思いますが、そのタイミング次第で睡眠の質がガラッと変わります。
とくにアスリートにとって睡眠不足はデメリットが多く、命取りといっても過言ではありません。
ぜひぜひ、今日から「黄金の90分」についてもう一度見直してみてください。
それでは、いい夢を見ましょう!